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日蓮大聖人『御書』解説

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2019年 09月 15日

法華経は一代聖教の肝心八万法蔵の拠り所と明かした書【善無畏三蔵抄】一

【善無畏三蔵抄(ぜんむいさんぞうしょう】
■出筆時期:文永七年(1270)(西暦1270年) 四十九歳御作 
■出筆場所:鎌倉
■出筆の経緯:大聖人が幼少時に入門した清澄寺の兄弟子、義浄房・浄顕房にあてられた書。
法華経は一代聖教の肝心・八万法蔵の依りどころとなりとしたため、特に大日経を漢訳した善無畏三蔵が、釈尊の説いた教に基づず自説として「法華経は大日経に劣れるのみならず華厳経にも及ばず」と称した妄言を厳しく断罪している。 
■ご真筆: 現存していない。

[善無畏三蔵抄 本文]その一

 法華経は一代聖教の肝心・八万法蔵の依りどころなり、大日経・華厳経・般若経・深密経等の諸の顕密の諸経は震旦(しんたん)・月氏(がっし)・竜宮・天上・十方世界の国土の諸仏の説教恒沙塵数(ごうしゃじんじゅ)なり、大海を硯(すずり)の水とし三千大千世界の草木を筆としても書き尽しがたき経経の中をも或は此れを見或は計り推するに法華経は最第一におはします、而るを印度等の宗・日域の間に仏意(ぶっち)を窺(うかが)はざる論師・人師多くして或は大日経は法華経に勝れたり、或る人人は法華経は大日経に劣れるのみならず華厳経にも及ばず、或る人人は法華経は涅槃経・般若経・深密経等には劣る、或る人人は辺辺あり互に勝劣ある故に、或る人の云く機に随つて勝劣あり時機に叶へば勝れ叶はざれば劣る、或る人の云く有門より得道すべき機あれば空門をそしり有門をほむ余も是を以て知るべしなんど申す、其の時の人人の中に此の法門を申しやぶる人なければ・おろかなる国王等深く是を信ぜさせ給ひ田畠等を寄進して徒党あまたになりぬ、其の義久く旧(ふり)ぬれば只正法なんめりと打ち思つて疑ふ事もなく過ぎ行く程に末世に彼等が論師・人師より智慧賢き人出来して、彼等が持つところの論師・人師の立義・一一に或は所依の経経に相違するやう或は一代聖教の始末・浅深等を弁へざる故に専ら経文を以て責め申す時、各各・宗宗の元祖の邪義扶(たす)け難き故に陳し方を失ひ、或は疑つて云く論師・人師定めて経論に証文ありぬらん我が智及ばざれば扶けがたし、或は疑つて云く我が師は上古の賢哲なり今我等は末代の愚人なりなんど思う故に・有徳・高人をかたらひ・えて怨(あだ)のみなすなり。

 しかりといへども予自他の偏党をなげすて論師人師の料簡(りょうけん)を閣(お)いて専ら経文によるに法華経は勝れて第一におはすと意得(こころえ)て侍るなり、法華経に勝れておはする御経ありと申す人・出来候はば思食(おぼしめす)べし、此れは相似の経文を見たがえて申すか又人の私に我と経文をつくりて事を仏説によせて候か、智慧おろかなる者弁へずして仏説と号するなんどと思食すべし、慧能が壇(だん)経・善導が観念法門経・天竺・震旦・日本国に私に経を説きをける邪師其の数多し、其の外私に経文を作り経文に私の言を加へなんどせる人人是れ多し、然りと雖も愚者は是を真(まこと)と思うなり、譬えば天(そら)に日月にすぎたる星有りなんど申せば眼無き者は・さもやなんど思はんが如し、我が師は上古の賢哲・汝は末代の愚人なんど申す事をば愚なる者はさもやと思うなり、此の不審は今に始りたるにあらず陳隋(ちんずい)の代に智顗(ちぎ)法師と申せし小僧一人侍りき後には二代の天子の御師・天台智者大師と号し奉る、此の人始いやしかりし時・但漢土・五百余年の三蔵・人師を破るのみならず月氏・一千年の論師をも破せしかば南北の智人等・雲の如く起り東西の賢哲等・星の如く列りて雨の如く難を下し風の如く此の義を破りしかども終に論師・人師の偏邪の義を破して天台一宗の正義を立てにき、日域の桓武の御宇に最澄(さいちょう)と申す小僧侍りき後には伝教大師と号し奉る、欽明已来の二百余年の諸の人師の諸宗を破りしかは始は諸人いかりをなせしかども後には一同に御弟子となりにき、此等の人人の難に我等が元祖は四依(え)の論師・上古の賢哲なり汝は像末の凡夫(ぼんぷ)愚人なりとこそ難じ侍りしか、正像末(しょうぞうまつ)には依るべからず実経の文に依るべきぞ人には依るべからず専ら道理に依るべきか、外道(げどう)・仏を難じて云く「汝は成劫(じょうこう)の末・住劫(じゅうこう)の始の愚人なり我等が本師は先代の智者・二天・三仙是なり」なんど申せしかども終に九十五種の外道とこそ捨てられしか。

[善無畏三蔵抄 本文]その二に続く





by johsei1129 | 2019-09-15 16:24 | 重要法門(十大部除く) | Trackback | Comments(0)
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