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日蓮大聖人『御書』解説

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2019年 10月 29日

末法に入ると釈尊の教えは経はあって行・証の功力が無くなる事を明らかにした書【教行証御書】一

【教行証御書(きょうぎょうしょうごしょ】
■出筆時期:建治三年三月二十一日(西暦1277年) 五十六歳御作 三位房日行に与えられた書
■出筆場所:身延山 草庵にて述作
■出筆の経緯:弟子三位房日行より公の場での法論に臨むに際し、いくつか大聖人に問いかけがありそれに応えるためにしたためた書である。最初に釈尊滅後の正法時代一千年には、教・行(仏となるための実践方法)・証(仏となった証)が具そなわっているが、次の像法時代一千年には教と行のみあって証が無く、末法に入ると、経(法華経)はあっても行・証が無いことを示され、大聖人が確立したご本尊に向かい妙法蓮華教を唱えることが末法の行であり、唯一の仏となる道であることを民衆に説くことが大事てあると諭している。
尚、三位房日行は才能はあったが公家等に諂うなど虚栄心をぬぐい去ることができず、『法門申さるべき様の事』では 「日蓮をいやしみてかけるか」と大聖人に厳しく諭されますが、最後は熱原の法難の際敵方に寝返り横死したことが『聖人御難事』に記されています。

■ご真筆: 現存していない。

[教行証御書 本文] その一

夫れ正像二千年に小乗権大乗を持依(じえ)して其の功を入れて修行せしかば大体其の益(やく)有り、然りと雖も彼れ彼れの経経を修行せし人人は自依(じえ)の経経にして益を得ると思へども法華経を以て其の意を探れば一分の益なし、所以は何ん仏の在世にして法華経に結縁せしが其の機の熟否に依り円機純熟の者は在世にして仏に成れり、根機微劣の者は正法に退転して権大乗経の浄名・思益(しやく)・観経・仁王・般若経等にして其の証果を取れること在世の如し。

 されば正法には教行証の三つ倶に兼備せり、像法には教行のみ有つて証無し、今末法に入りては教のみ有つて行証無く在世結縁の者一人も無し権実の二機悉く失せり、此の時は濁悪たる当世の逆謗の二人に初めて本門の肝心寿量品の南無妙法蓮華経を以て下種と為す「是の好き良薬を今留めて此に在く汝取つて服す可し差(い)えじと憂(うれう)る勿れ」とは是なり。
 
 乃往(むかし)過去の威音王仏の像法に三宝を知る者一人も無かりしに、不軽菩薩出現して教主説き置き給いし二十四字を、一切衆生に向つて唱えしめしがごとし、彼の二十四字を聞きし者は一人も無く亦不軽大士に値つて益を得たり。是れ則ち前の聞法を下種とせし故なり、今も亦是くの如し、彼は像法・此れは濁悪の末法・彼は初随喜の行者・此れは名字の凡夫・彼は二十四字の下種、此れは唯五字なり。
 得道の時節異なりと雖も、成仏の所詮は全体是れ同じかるべし。


 問うて云く上に挙ぐる所の正像末法の教行証各別なり・何ぞ妙楽大師は「末法の初冥利無きにあらず且く大教の流行すべき時に拠る」と釈し給うや如何、答えて云く得意に云く正像に益を得し人人は顕益なるべし在世結縁の熟せる故に、今末法には初めて下種す冥益なるべし已に小乗・権大乗・爾前・迹門の教行証に似るべくもなし現に証果の者之無し、妙楽の釈の如くんば、冥益なれば人是を知らず見ざるなり。

 問うて云く末法に限りて冥益と知る経文之有りや、答えて云く法華経第七薬王品に云く「此の経は則ち為閻浮提の人の病の良薬なり若し人病有らんに是の経を聞くことを得ば病即ち消滅して不老不死ならん」等云云、妙楽大師云く「然も後の五百は且く一往に従う末法の初冥利無きにあらず且く大教の流行す可き時に拠るが故に五百と云う」等云云。

 問うて云く汝が引く所の経文釈は末法の初五百に限ると聞きたり権大乗経等の修行の時節は尚末法万年と云へり如何、答えて曰く前釈已に且従一往(しょじゅういちおう)と云へり再往は末法万年の流行なるべし、天台大師上の経文を釈して云く「但当時大利益を獲るのみに非ず後の五百歳遠く妙道に沾わん」等云云、是れ末法万年を指せる経釈に非ずや、法華経第六分別功徳品に云く「悪世末法の時能く是の経を持てる者」と安楽行品に云く末法の中に於て是の経を説かんと欲す等云云此等は皆末法万年と云う経文なり、彼れ彼れの経経の説は四十余年未顕真実なり或は結集者の意に拠るか依用し難し、拙いかな諸宗の学者法華経の下種を忘れ三五塵点の昔を知らず純円の妙経を捨てて亦生死の苦海に沈まん事よ、円機純熟の国に生を受けて徒に無間大城に還らんこと不便とも申す許(ばか)り無し、崑崙山に入りし者の一の玉をも取らずして貧国に帰り・栴檀林に入つて瞻蔔(せんぷく)を蹈まずして瓦礫の本国に帰る者に異ならず、第三の巻に云く「飢国より来りて忽ち大王の膳に遇うが如し」
第六に云く「我が此の土は安穏〇我が浄土は毀れず」等云云。

[教行証御書 本文] その二に続く


by johsei1129 | 2019-10-29 21:39 | 重要法門(十大部除く) | Trackback | Comments(0)
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