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日蓮大聖人『御書』解説

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2019年 11月 30日

月氏国から東に渡ってきた仏法は、日出ずる国・日本から西に広まっていくことを示した書【諫暁八幡抄】一

【かんぎょうはちまんしょう】
■出筆時期:弘安三年十二月(西暦1280年) 五十九歳御作
■出筆場所:身延山 草庵にて述作
■出筆の経緯: ご自身滅後の後の布教を託す、門下の弟子檀那等にあてた書。
本書の最後に『月は西より東に向へり。月氏の仏法の東へ流るべき相なり。日は東より出づ。日本の仏法の月氏へかへるべき瑞相なり。月は光あきらかならず、在世は但八年なり。日は光明・月に勝れり。五五百歳の長き闇を照すべき瑞相なり。仏は法華経謗法の者を治し給はず、在世には無きゆへに。末法には一乗の強敵充満すべし。不軽菩薩の利益此れなり。各各我が弟子等はげませ給へ・はげませ給へ』と書き記している。この意味は、仏法は月子国(インド)から東に向かい、末法に入り日出づ国である扶桑国(日本)に渡ってきた。このことは末法万年に亘り、太陽が東からでて西に向かうように、日本から西方に仏法が広まっていく瑞相であるとして、弟子たちに日蓮亡き後、末法万年に亘って仏法を世界に広めることに務めるよう励まされている。英語版

月氏国から東に渡ってきた仏法は、日出ずる国・日本から西に広まっていくことを示した書【諫暁八幡抄】一_f0301354_22442449.jpg

■ご真筆: 大石寺所蔵。

[諫暁八幡抄 本文]その一

 夫れ馬は一歳二歳の時は設(たと)い・つがい(関節)のび、まろすね(円脛)に・すねほそく・うでのびて候へども・病あるべしとも見えず。而れども七八歳なんどになりて身もこへ・血ふとく、上(かみ)かち・下(しも)をくれ候へば、小船に大石をつめるがごとく、小き木に大なる菓(このみ)のなれるがごとく、多くのやまい出来して人の用にもあわず、力もよわく寿(いのち)もみじかし。天神等も又かくのごとし。成劫(じょうこう)の始めには先生(せんしょう)の果報いみじき衆生・生まれ来たる上、人の悪も候はねば身の光もあざやかに・心もいさぎよく、日月のごとくあざやかに・師子象のいさみをなして候いし程に、成劫やうやくすぎて住劫になるままに・前(さき)の天神等は年かさなりて下旬の月のごとし。今生まれ来たれる天神は果報衰減し下劣の衆生・多分は出来す。然る間・一天に三災やうやくをこり、四海に七難粗出現せしかば一切衆生・始めて苦と楽とを・をもい知る。

 此の時・仏出現し給いて仏教と申す薬を天と人と神とにあたへ給いしかば、燈(ともしび)に油をそへ、老人に杖をあたへたるがごとく、天神等還(かえ)つて威光をまし、勢力を増長せし事・成劫のごとし。仏教に又五味のあぢわひ分かれたり。在世の衆生は成劫ほどこそ・なかりしかども、果報いたう・をとろへぬ衆生なれば、五味の中に何(いずれ)の味をもなめて威光勢力をもまし候き。
 仏滅度の後、正像二千年過ぎて末法になりぬれば、本の天も神も阿修羅・大竜等も年もかさなりて身もつかれ、心もよはくなり、又今生まれ来たる天人・修羅等は、或は小果報・或は悪天人等なり。小乗・権大乗等の乳(にゅう)・酪(らく)・生蘇(しょうそ)・熟蘇味(じゅくそみ)を服すれども老人に麤食(そじき)をあたへ、高人(こうにん)に麦飯等を奉るがごとし。
 而るを当世・此を弁(わきま)えざる学人等、古(いにしえ)にならいて日本国の一切の諸神等の御前にして阿含経・方等・般若・華厳・大日経等を法楽し、倶舎(ぐしゃ)・成実(じょうじつ)・律・法相・三論・華厳・浄土・禅等の僧を護持の僧とし給える。唯老人に麤食(そじき)を与へ、小児に強飯(こわめし)をくくめるがごとし。
 何に況んや今の小乗経と小乗宗と大乗経と大乗宗とは古の小大乗の経宗にはあらず。天竺より仏法・漢土へわたりし時、小大の経経は金言に私言まじはれり。宗宗は又天竺・漢土の論師・人師、或は小を大とあらそい、或は大を小という、或は小に大をかきまじへ、或は大に小を入れ、或は先きの経を後とあらそい、或は後を先とし、或は先を後につけ、或は顕経を密経といひ、密経を顕経という。譬へば乳に水を入れ、薬に毒を加うるがごとし。

 涅槃経に仏・未来を記して云く「爾の時に諸の賊、醍醐(だいご)を以ての故に・之に加うるに水を以てす。水を以てする事多きが故に乳・酪・醍醐一切倶(とも)に失す」等云云。阿含小乗経は乳味のごとし。方等・大集経・阿弥陀経・深密経・楞伽(りょうが)経・大日経等は酪味のごとし。般若経等は生蘇味の如く、華厳経等は熟蘇味の如く、法華・涅槃経等は醍醐味の如し。設い小乗経の乳味なりとも仏説の如くならば争(いか)でか一分の薬とならざるべき。況んや諸の大乗経をや。何に況んや法華経をや。

[諫暁八幡抄 本文]その二に続く




by johsei1129 | 2019-11-30 10:10 | 重要法門(十大部除く) | Trackback | Comments(3)
Commented at 2018-10-14 19:20 x
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Commented by johsei1129 at 2018-10-15 00:28
이 블로그의 사진을 사용해도 문제 없습니다
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Commented at 2018-10-17 17:06 x
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