日蓮大聖人『御書』解説

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2017年 11月 29日

末法の本仏の立場で法華経二十八品を後継者、日興上人に口伝した書【御義口伝 上】要点解説(9)

【方便品八箇の大事】第二 諸仏智慧甚深無量 其智慧門の事 (注)

文句の三に云く先ず、実を歎じ次に権を歎ず。
実とは諸仏の智慧なり、三種の化他の権実に非ず。故に諸仏と云う自行の実を顕す故に智慧と言う。
此の智慧の体、即ち一心の三智(注)なり。
 甚深無量とは即ち称歎の辞なり、仏の実智の、竪に如理の底に徹することを明す故に、甚深と言う。横に法界の辺を窮む故に無量と言う。
 無量甚深にして竪に高く横に広し。譬えば、根深ければ則ち条茂く、源遠ければ則ち流長きが如し。実智既に然り、権智例して爾り云云。
 
 其智慧門は即ち是れ権智を歎ずるなり、蓋し是れ自行の道前の方便進趣の力有り、故に名けて門と為す、門より入つて道中に到る道中を実と称し、道前を権と謂うなり。
 難解難入とは権を歎ずるの辞なり、不謀にして了し無方の大用あり、七種の方便測度すること能わず、十住に始めて解す。十地を入と為す、初と後とを挙ぐ、中間の難示難悟は知る可し。
 而るに別して声聞縁覚の所不能知を挙ぐることは、執重きが故に別して之を破するのみ。
 記の三に云く、竪高横広とは中に於て法譬合あり、此れを以て後を例す。今実を釈するに既に周く横竪を窮めたり、下に権を釈するに理深極なるべし。下に当に権を釈すべし、予め其の相を述す故に云云と註す。

 其智慧門とは其とは乃ち前の実果の因智を指す、若し智慧即門ならば門は是れ権なり、若し智慧の門ならば智即ち果なり。蓋し是等とは此の中に須く十地を以て道前と為し、妙覚を道中と為し、証後を道後と為すべし。故に知んぬ文の意は因の位に在りと。

 
 御義口伝に云く、此の本末の意、分明なり、中に竪に高く横に広しとは、竪は本門なり、横は迹門なり。
根とは草木なり、草木は上へ登る此れは迹門の意なり、源とは本門なり、源は水なり。水は下へくだる、此れは本門の意なり。
 条茂とは迹門十四品なり、流長とは本門十四品なり、智慧とは一心の三智なり、門とは此の智慧に入る処の能入の門なり。三智の(実)体とは南無妙法蓮華経なり。
 門とは信心の事なり、爰を以て第二の巻に以信得入(注)と云う、入と門とは之れ同じきなり。

 今、日蓮等の類い南無妙法蓮華経と唱え奉るを智慧とは云うなり。
 譬喩品に云く「唯有一門」と、門に於て有門・空門・亦有亦空門・非有非空門あるなり。有門は生なり空門は死なり、亦有亦空門は生死一念なり、非有非空門は生に非ず死に非ず、有門は題目(妙法蓮華経)の文字なり。
 空門は此の五字に万法を具足して、一方にとどこうらざる義なり。亦有亦空門は五字に具足する本迹なり、非有非空門は一部の意なり。此の内証は、法華已前の二乗(声聞・縁覚[注])の智慧の及ばざる所なり。文句の三に云く「七種の方便、測度すること能わず」と

今、日蓮等の類いは此の智慧に得入するなり、仍て偈頌に、除諸菩薩衆信力堅固者(注)と云うは、我等行者の事を説くなり云云。



諸仏智慧甚深無量其智慧門
方便品の冒頭にある下記の文文
[原文]
爾時世尊。従三昧安詳而起。告舎利弗。
諸仏智慧。甚深無量。其智慧門。難解難入。
一切声聞。辟支仏。所不能知。
[和訳]
爾の時世尊(釈尊)は、三昧(瞑想の境地)より安詳として起きて、舎利弗(智慧第一の弟子)に告げた。
諸仏の智慧は甚深にして無量なり。其の智慧の門は、解し難く、入り難い。
一切の声聞、辟支仏(縁覚)の知ること能わざる所なり。

除諸菩薩衆信力堅固者
下記の偈にある文文
[原文]
諸余衆生類 無有能得解 除諸菩薩衆 信力堅固者
[和訳]
諸の余の衆生の類いにして、能く解を得るもの有ること無し。諸の菩薩衆、信力の堅固者を除く


一心の三智
一心三観の修行によって得られ二乗(声聞・縁覚)・菩薩・仏の三智を言う。一切智・道種智・一切種智で不思議三智ともいう。

慧文は、鳩摩羅什(妙法蓮華経を漢訳)が漢訳した、龍樹の『中論』等を依書として「一心三観」を悟ったという。

天台大師(智顗)は慧文の孫弟子にあたり、法華経の釈(法華玄義、法華文句、摩訶止観)の三部作で、法華経を根本とする天台宗を確立した。


以信得入
信をもって仏智を得ること。

二乗(声聞・縁覚)
十界の生命(境涯)の内、地獄・餓鬼・畜生・修羅・人・天を六道と言い、通常、人は縁に触れて六道を巡り巡って生活している。これを六道輪廻と称する。そこから脱したのが声聞・縁覚・菩薩・仏の四聖という境涯となる。この中で声聞・縁覚を二乗と称する。声聞は仏の声を聞く、また衆生に聞かせる境涯を意味し、縁覚は独覚とも良い、自分で一定の悟りを得る境涯を意味する。
現代では所謂、知識人が声聞に該当し、何か未知の法則を発見するような境涯が縁覚に該当する。


【御義口伝 上】要点解説(10)に続く



by johsei1129 | 2017-11-29 18:07 | 御義口伝 | Comments(0)


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