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日蓮大聖人『御書』解説

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2016年 12月 14日

当体義抄 要点解説その三

次に日蓮大聖人は「神力品の如来一切所有之法等の文」の意義について詳細に解き明かします。
問う次上に引く所の文証・現証・殊勝なり何ぞ神力の一文に執するや、答う此の一文は深意有る故に殊更に吉なり。
問う其の深意如何、答う此の文は釈尊・本眷属地涌の菩薩に結要の五字の当体を付属すと説きたまえる文なる故なり。
久遠実成の釈迦如来は我が昔の所願の如き今は已に満足す、一切衆生を化して皆仏道に入ら令むとて御願已に満足し、如来の滅後・後五百歳中・広宣流布の付属を説かんが為、地涌の菩薩を召し出し本門の当体蓮華を要を以て付属し給える文なれば釈尊出世の本懐・道場所得の秘法、末法の我等が現当二世を成就する当体蓮華の誠証は此の文なり。故に末法今時に於て如来の御使より外に当体蓮華の証文を知つて出す人、都て有る可からざるなり。真実以て秘文なり、真実以て大事なり、真実以て尊きなり」と。

次に「問う如来の在世に誰か当体の蓮華を証得せるや」と質し、引き続き「問う末法今時誰れ人か当体蓮華を証得せるや」と質していきます。

「問う如来の在世に誰か当体の蓮華を証得せるや<中略>総じて本門寿量の教主を除くの外は本門の当体蓮華の名をも聞かず何に況んや証得せんをや、開三顕一の無上菩提の蓮華尚四十余年には之を顕さず、故に無量義経に終不得成無上菩提とて迹門開三顕一の蓮華は爾前に之を説かずと云うなり、何に況んや開近顕遠・本地難思・境智冥合・本有無作の当体蓮華をば迹化弥勒等之を知る可きや」と。

日蓮大聖人は終段で「「問う末法今時誰れ人か当体蓮華を証得せるや」と質し、「日蓮が一門は正直に権教の邪法・邪師の邪義を捨てて正直に正法・正師の正義を信ずる故に、当体蓮華を証得して常寂光の当体の妙理を顕す事は本門寿量の教主の金言を信じて南無妙法蓮華経と唱うるが故なり<中略>凡そ妙法の五字は末法流布の大白法なり地涌千界の大士の付属なり」と断じます。

「問う末法今時誰れ人か当体蓮華を証得せるや、答う当世の体を見るに大阿鼻地獄の当体を証得する人之れ多しと雖も仏の蓮華を証得せるの人之れ無し其の故は無得道の権教方便を信仰して法華の当体真実の蓮華を毀謗する故なり、仏説いて云く「若し人信ぜずして此の経を毀謗せば則ち一切世間の仏種を断ぜん乃至其の人命終して阿鼻獄に入らん」文、天台云く「此の経は遍く六道の仏種を開く若此の経を謗せば義・断ずるに当るなり」文、日蓮云く此の経は是れ十界の仏種に通ず若し此の経を謗せば義是れ十界の仏種を断ずるに当る是の人無間に於て決定して堕在す何ぞ出ずる期を得んや。

然るに日蓮が一門は正直に権教の邪法・邪師の邪義を捨てて正直に正法・正師の正義を信ずる故に当体蓮華を証得して常寂光の当体の妙理を顕す事は本門寿量の教主の金言を信じて南無妙法蓮華経と唱うるが故なり。

問う南岳・天台・伝教等の大師法華経に依つて一乗円宗の教法を弘通し給うと雖も未だ南無妙法蓮華経と唱えたまわざるは如何、若し爾らば此の大師等は未だ当体蓮華を知らず又証得したまわずと云うべきや。
答う南岳大師は観音の化身・天台大師は薬王の化身なり等云云、若し爾らば霊山に於て本門寿量の説を聞きし時は之を証得すと雖も在生の時は妙法流布の時に非ず。
故に妙法の名字を替えて止観と号し一念三千・一心三観を修し給いしなり、但し此等の大師等も南無妙法蓮華経と唱うる事を自行真実の内証と思食されしなり。
南岳大師の法華懺法に云く「南無妙法蓮華経」文、天台大師の云く「南無平等大慧一乗妙法蓮華経」文、又云く「稽首妙法蓮華経」云云、又「帰命妙法蓮華経」云云。

伝教大師の最後臨終の十生願の記に云く「南無妙法蓮華経」云云、問う文証分明なり何ぞ是くの如く弘通したまわざるや、答う此れに於て二意有り、一には時の至らざるが故に、二には付属に非ざるが故なり。
凡そ妙法の五字は末法流布の大白法なり地涌千界の大士の付属なり是の故に南岳・天台・伝教等は内に鑑みて末法の導師に之を譲りて弘通し給わざりしなり。






by johsei1129 | 2016-12-14 22:07 | 重要法門(十大部除く) | Trackback | Comments(0)


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