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日蓮大聖人『御書』解説

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2016年 05月 02日

弟子の教化のため浄土宗を徹底解明した書【浄土九品の事】

【浄土九品の事】
■出筆時期:文永六年(1269) 四十八歳御作
■出筆場所:鎌倉 草庵にて。
■出筆の経緯:本抄は大聖人門下の弟子が念仏との法論に備えるため、法然が唱える浄土宗の系譜及び「観無量寿経」に説かれている九品往生を詳細に分別した書と思われ、日蓮大聖人の弟子育成にかける覚悟の一端を感じざる得ません。
■ご真筆:静岡県富士宮市 西山本門寺(巻子一巻[七紙])完存。
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【浄土九品の事 本文】

 難行易行・聖道浄土・雑行正行・諸行念仏。
 法然房の料簡は諸行と念仏と相対なり。
 二義、一には勝劣・一には難易
 一[廃立]に諸行を廃して念仏に帰せんが為に而も諸行を説くなり。
 二[助正]に念仏を助成せんが為に而も諸行を説くなり。
 三[傍正]に念仏諸行の二門に約して各三品を立てんが為に而も諸行を説くなり。
 若し善導に依らば初を以て正と為すのみ。

上品
 読誦大乗
   至誠心・深心・廻向発願心なり。
 上品上生 三種の心を発して即ち往生す。
 六念 ― 仏・法・僧・戒・天・施
 復三種の衆生有り。当に往生を得べし。
  一には慈心にして殺さず諸の戒行を具す。
  二には大乗方等経典を読誦す。
  [法然の料簡に云く] 華厳経・方等経・般若経・法華経・涅槃経・大日経・深密経・楞厳経等 の一切の大乗経は読誦大乗の一句に摂尽す。
 三には六念を修行す

解第一義
 上品中生---善く義趣を第一に解す。
    法然の料簡に云く − 華厳の唯心法界・法相の唯識・三論の八不・真言の五相成身・天台の一念三千は皆解第一義の一句に摂尽す。
 上品下生---法然の料簡―深信の因果に十界の因果を摂尽す。

中品
 中品上生-----五戒八戒乃至諸戒を摂尽す
     -----四阿含経・倶舎・成実・律宗は此の二品に摂尽す。
 中品中生---八斎戒
       
         ---儒教道教は此の一品に摂尽す
 中品下生---- 父母に孝養し世に仁慈を行なふ。
         ―外典三千余巻---- 老子経・孝教
下品
 下品上生
 観経
 此くの如きの愚人、多く衆悪を造るも十念せば往生す。
 下品中生 ― 或は衆生有て五戒・八戒及び具足戒を毀犯(きぼん)す。此くの如きの愚人は僧祇物を偸(ぬす)み、現前僧物を盗む。不浄に法を説いて懺愧(ざんき)有ること無し。
 下品下生
 下品下生は五逆重罪の者なり。而かも能く逆罪を除滅するは余行に堪えざる所なり。唯念仏の力のみ能く重罪を滅するに堪うる有り。故に極悪最下の人の為に而かも極善最上の説を説く等云云。
 五逆罪の人----十念往生
 撰択に云く「念仏三昧は重罪すら消滅す。何に況や軽罪をや。余行は然らず。或は軽を滅して重を滅せざる有り。或は一を消して二を消せざる有り」等云云。
 
捨閉閣抛
 法華経等の一切経
 釈迦仏等の一切諸仏
 天台宗等の八宗・九宗の世天等
 浄土三部経阿弥陀仏よりの外なり。
 
安楽集に云く、
  未だ一人も得る者有らず。唯浄土の一門のみ有て通入の路なるべし。
 往生礼讃に云く、
  千中無一
  十即十生百即百生
  

    ---後鳥羽院御宇
源空(法然房)
 一弟子―隆寛[長楽寺南無]―多念
 一弟子―善恵[故嵯峨天皇の恩師・小坂・故打宮入道]―道観・修観[極楽寺殿の御師]
 一弟子―聖光[筑紫・念阿弥陀仏]
    一法蓮  
    一覚明―[一条・諸行往生・道阿弥]
    一観心―嵯峨
    一成覚・法本―一念

顕真座主(八人の碩徳)
 
公胤大弐僧上[頼顕僧正の恩師・薗城寺の長吏]
 浄土決疑集三巻を造て法然房の撰択集を破す。随機の諸行皆往生を為すべし等云云。
      故宝地房法印証真の弟子 上野清井者
定真竪者―弾撰択二巻を造る。随機諸行往生
 
証義者---宗源法印(証真の嫡弟・竹中法印)
   ---隆真法印
   ----俊鑁法印--大和の荘・三塔の総学頭
   
三千人の大衆
五人探題----正覚
    ----貞雲
    --- 竜証

    華厳宗-とがのを
明恵房―摧邪輪三巻を造る。随機諸行往生

大乗五宗
法相宗―深密経に依る―上輩
    三時教をもて一代を摂尽し、返て深密経を以て法華経を下す。
三論宗―上三
二蔵三時をもて一代を摂尽し、返て妙智経を以て法華を下す。
華厳宗
  五教をもて一代を摂尽し、返て華厳経を以て法華を下す。 
真言宗 五蔵をもて一代を摂尽し、返て大日経等を以て法華経を下す。
天台宗 四教五時をもて一代を摂尽す。

 県の額(がく)を州に打ち、牛跡(ごしゃく)を大海に入る。
伝教大師此の義を許すや不や
 「夫れ三時の教は勝義の領解(りょうげ)にして一了の聞は義生の機宜なり。猶三了を闕(か)く、何ぞ一代を摂せん」と。
 華厳云く、三論云く、真言等云云。




by johsei1129 | 2016-05-02 20:29 | 重要法門(十大部除く) | Trackback | Comments(0)


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