一 先ず臨終の事を習うて等文。
先後を知る則は道に近きなり云云。
先に為すべきを謬って後に為す。譬喩経、おし鳥のまねの事
後に為すべきを謬って先に為す。徒然草、先ず馬を習う法師の事
多年・刹那の二種の臨終の事 爾前・迹門は邪法・邪師の邪義なり。本門寿量は正法・正師の正義なる事。
「日蓮が申す法門僻事に候はば、よも臨終正念に住し候はじ」云云。
第一に妙法三力の習い自ら三あり
一には末法下種の本仏の仏力 御書五・二十九。「付けたり那先経の船の譬」の事
二には末法下種の妙法の経力 御書十九・六十三に「譬えば女人(乃至)白物の・ごとし」と。三十二・十三。
三には末法下種の信力 御書二十三に「縦ひ頚をば鋸にて引き切り・どうをばひしほこを以て・つつき・足にはほだしを打つてきりを以てもむとも、命のかよはんほどは南無妙法蓮華経・南無妙法蓮華経と唱えて唱へ死に死るならば釈迦・多宝十方の諸仏・霊山会上にして御契約なれば須臾の程に飛び来りて手をとり肩に引懸けて霊山へ・はしり給はば」となり。
第二に行者用心の習い、亦三有り
○臨終の一念は百年の行功に勝る
○木は傾く方にたおるる事
一 断末魔の用心に亦三の習いあり
一には平生善を修むれば苦悩多からず・・正法念経
二には平生人を譏らざれば苦悩少なし・・顕宗論
三には平生覚悟を定むれば苦に驚かず
○引きよせて○すわ、さればこそ
二 執著の用心にまた二の習いあり
○孔子鯉魚 白居易(注:出典参照) ○子はまさるらし
一には妻子に執著 鼻の中に虫に生まる、沙石の 四に云云。又五無反復経。鳥の夜林親子。渡りの船・父子。市の人・夫婦。花を愛するもの蝶となる。
二には財宝に執著 魯山寺の明道、天井の錢。はだかにて生まる、財宝何ぞ執せん。況や出家は皆仏の物なるをや。止の七に云く「財は糞土の如し、之を捨つること唾の如し」云云。龐居士、財を捨
三 天魔の用心
沙石の四・二十三に引き伏せられて死する事、また手を打って飛び去る事。
善悪二相倶に驚くべからざる事、伝心法要。蜷川が事
御書二十八に云く「三障四魔と申すは」云云
つづく
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