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日蓮大聖人『御書』解説

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2019年 11月 30日

日蓮大聖人が晩年まで信徒から世情の情報を収集していたことを示された書【大風御書】

【大風御書】
■出筆時期:弘安四年(1281年)五月 六十歳御作。
■出筆場所:身延山中の草庵にて。
■出筆の経緯:本抄は四行の断簡が伝えられており前後は不明ですが「御そらういかん」と率直に病状を聞かれているところから、古参の強信徒に送られた消息ではと推察されます。
 古参の強信徒の中では大田乗明が晩年重い病気にかかって大聖人からも励ましの消息が送られていることから、あるいは本抄も大田乗明に宛てられたのではとも考えられます。

 本書の内容は、本書を記された直前の四月二十八日に恐らく鎌倉一帯で大風が吹いたことから、文永十一年四月十二日の大風との規模の比較を知らせて欲しいと依頼された内容と思われます。
 大聖人はこれらの情報を基に日本の趨勢を思索されていたのではと拝されます。本抄は大聖人御遷化の一年半前に認められておられますが、命ある限り日本の行く末を案じられていた本仏の慈悲を感じざる得ません。
■ご真筆:京都市 本圀寺(四行の断簡)所蔵。
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【大風御書 本文】

御そらう(所労)いかん。又去ぬる文
永十一年四月十二日の大風と此の
四月二十八日のよの大風と勝劣いかん。
いかんが聞き候といそぎ申せ給ひ候へ。




by johsei1129 | 2019-11-30 16:47 | 弟子・信徒その他への消息 | Trackback | Comments(0)


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