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日蓮大聖人『御書』解説

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2019年 11月 04日

師子の身の内の虫の師子を食ふと申すは、今天台宗の人々の自宗を他宗に同ずるこれなり、と真言に同ずる延暦寺第三祖・円澄以降の天台宗を破析した【天台宗身虫御書】

【天台宗身虫御書】
■出筆時期:建治期。
■出筆場所:身延山中の草庵にて。
■出筆の経緯:本抄は断簡が伝えられておりますが、前後が不明のため述作日等の詳細は不明です。
内容は、伝教大師(最澄)が法華経を根本として起こした天台宗延暦寺が、第三祖円澄以降、次第に真言に同じていく。この事を大聖人は「師子の身の内の虫の師子を食ふと申すは、今天台宗の人々の自宗を他宗に同ずるこれなり。<中略>かくのごとく立つるゆへに天台法華宗は失せぬるなり」と、明快に破析されておられます。

尚、日蓮大聖人は宗祖の法門が弟子により次第に本質を失っていくことについて日興上人に相伝した【本因妙抄】で次のように喝破されておられます。

『彼の天台大師には三千人の弟子ありて章安一人朗然なり、伝教大師は三千人の衆徒を置く、義真已後は其れ無きが如し、今以て此くの如し、数輩の弟子有りと雖も疑心無く正義を伝うる者は希にして一・二の小石の如し、秘す可きの法門なり』

■ご真筆:静岡県三島市 玉沢 妙法華経寺(断簡)所蔵。

【天台宗身虫御書 本文】

の劣也。師子の身の内の虫の師子を食(くら)ふと申すは、今天台宗の人々の自宗を他宗に同ずるこれなり。
 問うて云はく、其の相貌如何(そうみょう・いかん)。
 答へて云はく、大日経に云はく「心実相」善無畏・金剛智・不空・一行が云はく「彼の経の諸法実相は此経の心実相なり」等云云。慈覚大師云はく「爾るべし」と。安然云はく「爾るべし」と。
 大日経に云はく「我は一切の本所なり」と。善無畏が云はく「彼の経の久遠実成と同じ」云云。慈覚等が云はく「爾るべし」と。
 華厳経に云はく「心と仏と及び衆生と・是の三差別無し」と。澄観が云はく「彼の法華経に云はく、諸法実相と是三無差別とをなじ」と。智礼等の云はく「此(これ)同じ」と。かくのごとく立つるゆへに天台法華宗は失(う)せぬるなり。
 疑って云はく、此等をばいかんが心うべき。
 答へて云はく、此事には四の法門あり。一には名同体異、二に名異体同、三には名義共同(みょうぎ・ぐどう)、四には名義共異なり。




by johsei1129 | 2019-11-04 11:33 | 弟子・信徒その他への消息 | Trackback | Comments(0)


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