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日蓮大聖人『御書』解説

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2016年 02月 16日

法華経題目抄 文段十六  妙法蓮華経の五字に、十界の依正・三千の万法を収むるなり


   十 日

一 問うて云く妙法蓮華経の五字等

  (とい)の意に云く、能信能行の功徳無量なること、既に(めい)を聞き(おわ)んぬ。所信所行の「妙法蓮華経の五字」に(いくばく)の功徳(おさ)まれるや。

  大段の第二、妙法五字の具徳に二。初めに正釈、次に「而るに二千年すぎて」の下十五に重ねて今昔を挙げて(かい)(かん)す。初めの正釈に亦三。初めに妙体の()(とく)、次に「()ず妙法」の下は妙名の具徳、三に「譬へば秋冬(ない)()し」の下は妙用(みょうゆう)の具徳云云。  

一 大海は衆流を(おさ)め等

  此の下は妙法の具徳なり。初めに(たとえ)、次は法なり。法の中に(まさ)に十界の()(しょう)(おさ)むるに約す。故に知んぬ、妙体の具徳なることを。

  当体義抄に云く「妙法蓮華経とは其の体何物(なにもの)ぞや、答う十界の依正即ち妙法蓮華の当体(とうたい)なり」云云。(これ)を思い合すべし。(すべから)く知るべし「十界の依正」とは即ち一念三千なり。依正不二(ふに)門に云く「三千の中の(しょう)(おん)二千を以て(しょう)と為し、国土一千を()に属す。依正既に一心に()す、一心(あに)能所を分たんや。能所無しと(いえど)も依正(おん)(ねん)たり」文。故に妙法蓮華経の五字に、十界の依正・三千の万法を(おさ)むるなり。 

一 ()ず妙法蓮華経等

  此の下は妙名(みょうみょう)の具徳、亦二。初めに通じて五字の具徳を明かし、次に「妙とは」の下は別して妙の一字の具徳を明かす。初めに亦三。初めに総標(そうひょう)、次に「経の一」の下は経の一字の具徳を釈し、以て四字の具徳を(あらわ)す。三に「此の経の一字」の下は総結。  

一 (きょう)の一字は諸経の中の王等

  此の下は経の一字の具徳を釈し、以て四字の具徳を顕す、(また)二。初めに正釈、次に「されば薬王品」の下は引証(いんしょう)。初めの正釈に三。初めには別して伝来の諸経を収むるに約し、次には通じて梵漢(ぼんかん)の諸経を収むるに約し、三には広く諸仏の諸経を収むるに約す。(まさ)に知るべし、狭より広に至るなり。初めの別して伝来の諸経を収むるに約するに(また)二。初めに正しく明かし、次に「(これ)(みな)」の下は結。初めの正しく明かすに亦三。初めに正しく説き、次に結集(けつじゅう)、三に翻訳云云。

一 ()ず妙法蓮華経の已前等

  此の下は次に梵漢(ぼんかん)の諸経を収むるに約す、亦二。初めに(まさ)しく明かし、次に「此等」の下は結。初めの正しく明かすに三。初めに華厳(けごん)、次に三味、三に涅槃(ねはん)。次の三味に亦二。初めに通じて(ひょう)し、次に大日経を以て余に例す。  

一 ()の経の一字の中等

  此の下は三に総結、亦二。初めに「経」の一字の具徳を結し、次に「妙法」の下は四字の具徳を(けん)(じょう)す。

一 妙法蓮華の四字は八万法蔵に超過(ちょうか)せり経の一字の一代に勝れたればなり。

  点の如し。啓蒙に云く「古本に云く、経の一字は一代に勝れたる故に、妙法蓮華の四字も(また)八万法蔵に超過せり」云云。


つづく


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by johsei1129 | 2016-02-16 21:33 | 日寛上人 御書文段 | Trackback | Comments(0)


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