日蓮大聖人『御書』解説

nichirengs.exblog.jp
ブログトップ
2016年 01月 04日

立宗宣言の年、富木常忍におくられた現存する最古の消息【富木殿御返事】

【富木殿御返事】
■出筆時期:建長五年(1253年)十二月九日 三十二歳御作
■出筆場所:下総にて。
■出筆の経緯:本消息は、大聖人が弟子信徒にしたためた数多くの消息の中で、最も古い時期の消息となります。
本消息を送られた富木常忍は大聖人より六歳年上で、立宗宣言した建長五年に直ぐ入信したと思われ、それ以前
大聖人が是生房連長と称していた時から経済的支援をしていたと伝えられております。

本消息の文中で「ひる(昼)はみぐるしう候へば、よる(夜)まいり候はんと存じ候」とあるのは、安房国の地頭・東条景信等の
妨害を避けてるための配慮と思われます。また本消息は法門が記されているわけではなく富木常忍と連絡を取るための手紙ですが、ご真筆が残されているのは、下総国守護・千葉氏の文官をしていた常忍の律儀な性格と、年下ながらも大聖人を敬う志の高さの賜物と考えられます。
■ご真筆:中山法華経寺(全文)所蔵。

[富木殿御返事 本文]

よろこびて御とのびと(殿人)給はりて候。
ひる(昼)はみぐるしう候へば、よる(夜)まいり候はんと存じ候。
ゆうさり(夕方)とりのとき(酉の刻)ばかりに給はるべく候。
又御はたり候ひて法門をも御だんぎ(談義)あるべく候。

十二月九日  日蓮
 とき殿

[現代訳]
お迎えのご家来を遣わして頂けるとのことで喜んでおります。日中は人目につきますので、夜にお伺い
したいと考えております。
夕方の酉の刻(5時~7時)にお迎え頂ければと思います。また、こちらにもおいで頂き法門について御
談義いたしましょう。



by johsei1129 | 2016-01-04 22:28 | 富木常忍・尼御前 | Comments(0)


<< 当世の一切の女人は仏の記し置き...      報恩抄文段 下三  弘安四年の... >>