2015年 12月 22日
一 此の人人の義にいわく等文。 此の下は三に一代判教を明かす、亦二と為す。初めに顕密の勝劣を明かし、次に「華厳経」の下は法華と大日経の勝劣を明かす。初文亦二と為す。初めに顕密二経を分ち、次に「彼の経経」の下は正しく勝劣を判ず。初めの文亦二と為す。初めに顕教、次に「今の大日経」の下は密教なり。 次に「華厳経」の下に法華と大日経の勝劣を明かすに、亦二と為す。初めに諸経を簡んで法華相似を挙げ、次に「されども彼の経」の下は正しく勝劣を判ず、亦二と為す。初めに法、次に譬。 一 此の由尋ね顕す人もなし等文。 此の下は四に邪宗興盛を明かすなり。 文に云う「菩提心論」等とは、此の論文の中に「唯真言法の中に即身成仏」の文あり。故に弥真言宗盛んになれるなり。 一 但し妙楽大師等文。 此の下は第二に呵責謗法を明かす、亦四と為す。初めに妙楽出現、次に「智慧」の下は自見発明、三に「或は智」の下は悲歎思惟、四に「三十巻」の下は破責を述記す。「或は智」の下、三の悲歎思惟に、亦三あり。初めに先哲未破、次に「かくて・あるならば」の下は正法欲滅、三に「又」の下は邪法熾盛。 問う、文には但思惟のみを見て悲歎の相を見ず、何ぞ悲歎思惟と云うや。 答う、文に見ずと雖も、其の意、顕然なり。学者之を思うべし。 文に云く「法相宗と華厳宗と真言宗とを一言にとりひしがれたる書なり」と文。 問う、正しく三宗を一言に拉ぐ、其の文如何。 答う、今且く三文を出さん。 一には諸宗の依経は皆悉く兼帯の麁法なり。記の六・三十六に云く「縦い経有って諸経の王と云うとも『已今当説最為第一』と云わず、兼但帯対、其の義、知るべし」と文。 二には諸宗の依経は皆悉く無得道の悪法なり。弘の六末六に云く「徧く法華已前の諸経を尋ぬるに、実に二乗作仏の文及び如来久成を明かすの説無し」等云云。 三に諸宗の元祖は皆悉く不知恩の畜生なり。開目抄下十一に五百問論下五を引いて云く「寿量品をしらざる諸宗の者は畜に同じ不知恩の者なり、故に妙楽云く『一代教の中未だ曾て遠を顕さず、父母の寿知らずんばある可からず、若し父の寿の遠きを知らずんば復父統の邦に迷う、徒に才能と謂うとも全く人の子に非ず』」等云云。 妙楽大師は唐末、天宝年中の人なり。華厳・法相・真言等の諸宗並びに依経を深く見、広く勘みて、寿量品の仏を知らざる者は父統の邦に迷える才能ある畜生と書けるなり等云云。是れ一言を以て諸宗を拉ぐ文なり。 一 又日本国等文。 此の下は第二に日本の伝教の弘通を明かす、亦二と為す。初めに由、次に「其の後」の下は正しく明かす。初めの由、亦二と為す。初めには総じて最初の伝来を明かし、次に「又用明」の下は別して太子持経の伝来を明かす。 啓蒙十一・五十七に云く「一心戒文の中に云く、最澄禅師、弘仁七年に四天王寺の上宮の廟に入り、法華宗を伝うることを求むる詩序に云く、今、我が法華の聖徳太子は、即ち是れ南岳慧思大師の後身なり。持経を大唐に請じ、妙法を日域に興す。最澄愚かなりと雖も、我が師の教を弘めんと願う。渇仰の心に任えず、謹んで一首を奉る。 海内に縁力を求め、 心を聖徳の宮に帰す、 我今妙法を弘め、 師教窮り無からしむ」云云。 文に云う「先生所持の一巻の法華経」とは、釈書に云く「太子、慧慈に語って云く、法華の某句一字を欠く」等云云。 今因に問うて云く、何れの句、何れの字ぞや。 今謹んで案じて曰く、或は「我本菩薩の道を行ぜし時」の「時」の字に非ざるか。現本には「時」の字なし、天台の諸文の引用には皆「時」の字あり。証真云く「梵釈寺の本に時の字有り」等云云。
by johsei1129
| 2015-12-22 21:20
| 日寛上人 御書文段
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