人気ブログランキング | 話題のタグを見る

日蓮大聖人『御書』解説

nichirengs.exblog.jp
ブログトップ
2015年 12月 13日

報恩抄文段 上九 師堕つれば弟子堕つ、弟子堕つれば檀那堕つ

一 ()る人疑つて云く等

  此の下は四に(しゃく)(じょう)。今、義意に約す、故に釈成と云うなり。(いわ)く、宗祖(しゅうそ)(ぎょう)(べん)を以て仮難(けなん)(もう)け、而して之を()す。三説(さんせつ)超過(ちょうか)の文を引いて、一代並びに十方(じっぽう)三世(さんぜ)の諸仏の諸経の中に法華最第一の(むね)を明かし、以て「諸経の中に於て(もっと)()(かみ)()り」の文を釈成するなり。若し此の意を得ずんば、(いたずら)に当抄を消するならん云云。

此の釈成の文、亦二と()す。初めに(とい)、次に答、亦三あり。初めに問を(あざけ)り、次に正義(しょうぎ)を示し、三に「(また)我は見ざれば」の下は問に(むく)

 文に云う「(てい)()」等とは文選(もんぜん)第十五、依憑集(えひょうしゅう)等に出ず。故に「是なり」と云うなり。初めに問を(あざけ)るの意は、(なんじ)()し智有らば一を以て万を察せよ、(しか)るに今汝が問は()()(じん)(うたがい)に似たり。文に云う「山を(へだ)て煙の立つを」等とは、(しゅう)円記(えんき)四・四十七に云く「(すで)に煙を見て火有るを()()す」等云云。

文に云う「一闡提(いっせんだい)の人」「(いき)(めくら)」等は、涅槃(ねはん)経の第九に「(ただ)生盲・一闡提を除く」と云うなり。

一 法華経の法師(ほっし)品等

  此の下は次に正義(しょうぎ)を示す、文(また)二と()す。初めに三説(さんせつ)超過(ちょうか)の明文を示し、次に「()(こん)(とう)」の下は一代並びに十方(じっぽう)三世(さんぜ)の諸仏の諸経の中に法華最第一なるを明かす。初めの文を亦三と為す。初めに如来(にょらい)の金言、次に多宝(たほう)証明(しょうみょう)、三に分身(ふんじん)助舌(じょぜつ)なり。

一 ()(こん)(とう)の三字は乃至説せ給いて

  問う、何を(もっ)て十方三世の諸仏の諸経の中に、法華最第一なることを知るを得ん。

  答う、経に云く「三世の諸仏の説法の儀式の如く、我も今(また)()くの如し」等云云。「一をもつて万を察せよ(てい)()を出でずして天下をしるとは是れなり」と。

一 (また)我は見ざれば等

  此の下は三に問に(むく)ゆるなり。

文に云く「されば梵釈(ぼんしゃく)乃至法華経の御座にはなかりけるか」等とは、(すで)に法華の座に()り。「世尊の(みことのり)の如く(まさ)(つぶさ)奉行(ぶぎょう)すべし」云云。

不妄語(ふもうご)(かい)の力」とは、(しばら)く一戒を()ぐ、(まこと)に十善戒を(たも)って天に(うま)るるなり。

()(じつ)云く「()()を以て(いん)を知る故なり」と。(いわ)「不妄語戒」とは正直(しょうじき)異名(いみょう)なり。当に知るべし、諸天善神は正直の(こうべ)宿(やど)るなり。故に知んぬ、諸天は正直の因に()って天に生ずることを。是れ(すなわ)ち正直に依って天に生ずる故に、(また)正直の頭に宿るなり。

諌暁二十七・二十五に云く「成仏(じょうぶつ)(のち)()()門に出で給う時我が得道(とくどう)の門を示すなり」と云云。()いて見よ。啓蒙(けいもう)の義は(しか)らざるか。

一 壊劫(えこう)にいたらざるに大地の上にどうとおち候はんか

 問う、若し(しか)らば壊劫の時は日月(にちがつ)大地に落つるや。

  答う、啓蒙(けいもう)を往いて見よ。

一 (しか)るを華厳宗(けごんしゅう)(ちょう)(かん)

  此の下は大段第三の承上起下(しょうじょうきげ)の文なり。

  「瞿伽(くが)()」は書註の七・四十五、「大天(だいてん)」は撰時抄下二十三に云く「大天は凡夫にして阿羅漢(あらかん)となのる」等云云。書註の七・四十九、同十七・二十三。「大慢(だいまん)」は下の文二十七に云く「()(がっ)()大慢(だいまん)()羅門(らもん)大自在天(だいじざいてん)()()延天(えんてん)()籔天(そてん)・教主釈尊の四人を高座の(あし)につくりて()(かみ)にのぼつて(じゃほう)(ひろ)めしがごとし」等云云。亦撰時抄下十一、註七・十一に西域(せいいき)記十一・十三を引く。

一 ()(やから)を信ずる人人はをそろし・をそろし。

  師()つれば弟子堕つ、弟子堕つれば檀那(だんな)堕つる故なり。(れい)せば、大荘厳仏(だいしょうごんぶつ)(すえ)の六百八十億の檀那()()(がん)等に(たぶら)かされ、()子音(しおん)王仏(のうぶつ)の末の男女(なんにょ)()(しょう)()比丘(びく)を信じて、無量劫(むりょうこう)が間、地獄に堕ちしが如し。御書の十六・八二十七・二十二下巻初。今日本国中の男女等、皆(しか)らば不便(ふびん)云云。

             

つづく


報恩抄文段上 目次



by johsei1129 | 2015-12-13 10:33 | 日寛上人 御書文段 | Trackback | Comments(0)


<< 【撰時抄】出筆のため弟子の弁殿...      GOSHO 立正安国論47  ... >>