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日蓮大聖人『御書』解説

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2015年 12月 07日

熱原法難から半年、まだまだ厳しい状況が続いていた河合殿に、柔和忍辱の耐える信仰を貫くよう励まされた【かわいどの御返事】

【かわいどの御返事】
英語版
■出筆時期:弘安三年(1280年)四月一九日 五九歳御作
■出筆場所:身延山中の草庵にて。
■出筆の経緯:本抄は日興上人の母の実家である河合家の主人に送られた書です。河合一族には滝泉寺の住僧であったが日興上人の教化で弟子となり、後に日興上人の本六老僧となり大石寺・南之坊を開基した日禅上人がおられます。
 弘安三年四月のこの時期は、熱原の法難からまだ半年程しか経過していなく、日蓮門下には厳しい状況が続いていたものと思われます。その状況下で大聖人は本抄で「かまへてかまへて、この御をん(恩)かほらせ給ひて、近くは百日、とをくは三ねん・つゝがなくば、みうち(身内)はしづまり候べし」と柔和忍辱(にゅうわにんにく)の衣を身につけて耐える信心を貫くよう励まされておられると拝されます。
■ご真筆:東京都 孔泰容氏所蔵。
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[かわいどの御返事 本文]

 人にたまたま・あわせ給ふならば、む(向)かいくさき(先)、事(異)なりとも向かはせ給ふべし。ゑ(笑)まれぬ事なりとも・え(笑)ませ給へ。かまへて・かまへて、この御をん(恩)かほらせ給ひて、近くは百日、とをくは三ねん・つゝがなくば、みうちはしづまり候べし。

 それより内になに事もあるならば、きたらぬ果報なりけりと、人のわらわんはづかしさよ。かしく。

 卯月十九日                日蓮花押
    
 かわいどの御返事


【妙法蓮華経 法師品第十】

 薬王若有善男子。善女人。如来滅後。欲為四衆。説是法華経者 云何応説。
 是善男子。善女人。入如来室。著如来衣。坐如来座。爾乃応為四衆。広説斯経。
如来室者。一切衆生中。大慈悲心是。
 如来衣者。柔和忍辱心是
 如来座者。一切法空是。安住是中。然後以不懈怠心。為諸菩薩及四衆。広説是法華経。

[和訳]

 薬王よ、若し善男子、善女人有りて、如来の滅後に四衆の為に是の法華経を説かんと欲する者は、云何にして説くべしや。
 是の善男子、善女人は、如来の室に入りて、如来の衣を著(き)、如来の座に坐して、爾乃して四衆の為に、広く斯の経を説くべし。
 如来の室とは、一切衆生の中の大慈悲心是なり。
 如来の衣とは、柔和忍辱の心、是なり。
 如来の座とは、一切の法は是れ空であるとして、是の中に安住し、然して後に懈怠(けたい)なき心にて、諸の菩薩及び四衆の為に広く是の法華経を説くべきである。




by johsei1129 | 2015-12-07 17:15 | 弟子・信徒その他への消息 | Trackback | Comments(0)


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