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日蓮大聖人『御書』解説

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2019年 11月 07日

夫れ水は寒積れば氷と為る、雪は年累つて水精と為る、悪積れば地獄となる、善積れば仏となる、女人は嫉妬かさなれば毒蛇となる、と説いた【南条殿女房御返事】

【南条殿女房御返事】
■出筆時期:弘安元年(1278) 五月二十四日 五十七歳御作。
■出筆場所:身延山 草庵にて。
■出筆の経緯:本抄は南条時光の妻が米2俵を御供養なされたことへの返書となっております。文末で「御所労の人の臨終正念・霊山浄土疑ひなかるべし」と記されておられるのは、本抄を記された前月の四月一日に時光に宛てられた消息『上野殿御返事』に記されている、時光の姪(姉の子で石河の兵衛入道殿のひめ御前)が大病のため南妙法蓮華経を唱えながら亡くなられた事と示していると思われます。
 この時光の姪は、自身の病状が急変し、まもなくこの世を去るであろうことを大聖人に手紙で伝えておられます。そのことについて大聖人は「臨終に南無妙法蓮華経と唱えさせ給いける事は、一眼のかめの浮木の穴に入り、天より下(くだす)いとの大地のはりの穴に入るがごとし」と、ひめ御前の法華経信仰への強い思いを称えられておられ、本消息でも「霊山浄土疑ひなかるべし・疑ひなかるべし」と示され、改めて姪を失った悲しみに浸っているであろう時光及び女房を励まされておられます。
■ご真筆:現存しておりません。古写本:日興上人筆(富士大石寺蔵)。

[南条殿女房御返事 本文]

 八木(米)二俵送り給び候い畢んぬ。度度の御志・申し尽し難く候。

 夫れ水は寒積れば氷と為る、雪は年累(かさな)つて水精と為る、悪積れば地獄となる、善積れば仏となる、女人は嫉妬かさなれば毒蛇となる。法華経供養の功徳かさならば・あに竜女があとを・つがざらん。山といひ・河といひ・馬といひ・下人といひ、かたがた・かんなん(艱難)のところに度度の御志申すばかりなし。
 御所労の人の臨終正念・霊山浄土、疑ひなかるべし・疑ひなかるべし。

 五月二十四日         日 蓮 花押

 御返事




by johsei1129 | 2019-11-07 21:08 | 南条時光(上野殿) | Trackback | Comments(0)


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