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日蓮大聖人『御書』解説

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2015年 08月 10日

法華経譬喩品第三に説かれた大白牛車の法華経信仰における意義について記された書【大白牛車御消息】

【大白牛車御消息)】
■出筆時期:弘安四年(西暦1281年) 六十歳 御作。
■出筆場所:身延山中 館にて。
■出筆の経緯:本抄送られた信徒は不明であるが、恐らく法華経譬喩品に説かれている「大白牛車」について問われたことへの返書と思われます。譬喩品では多くの衆生を仏道に導くための優れた乗り物の象徴として描かれておりますが、大聖人は本抄で「法性の空に自在にとびゆく車をこそ、大白牛車とは申すなれ」と記すとともに、「我(日蓮)より後に来り給はん人人は、此の車にめされて霊山へ御出で有るべく候。日蓮も同じ車に乗りて御迎いにまかり向ふべく候」と、日蓮に帰依し続けたならば、臨終の際は必ず日蓮が大白牛車で迎えに来ると励まされておられます。
■ご真筆:現存していない。

[大白牛車御消息 本文]


抑法華経の大白牛車と申すは我も人も法華経の行者の乗るべき車にて候なり。

彼の車をば法華経の譬喩品と申すに懇に説かせ給いて候、但し彼の御経は羅什・存略の故に委しくは説き給はず。天竺の梵品には車の荘り物・其の外・聞信戒定進捨慚の七宝まで委しく説き給ひて候を日蓮あらあら披見に及び候、先ず此の車と申すは縦広五百由旬の車にして金の輪を入れ・銀の棟をあげ・金の繩を以て八方へつり繩をつけ・三十七重のきだはしをば銀を以てみがきたて・八万四千の宝の鈴を車の四面に懸けられたり。

 三百六十ながれの・くれなひの錦の旛を玉のさほにかけながし、四万二千の欄干には四天王の番をつけ、又車の内には六万九千三百八十余体の仏・菩薩・宝蓮華に坐し給へり。帝釈は諸の眷属を引きつれ給ひて千二百の音楽を奏し、梵王は天蓋を指し懸け・地神は山河・大地を平等に成し給ふ。故に法性の空に自在にとびゆく車をこそ、大白牛車とは申すなれ。

我より後に来り給はん人人は、此の車にめされて霊山へ御出で有るべく候。日蓮も同じ車に乗りて御迎いにまかり向ふべく候。南無妙法蓮華経・南無妙法蓮華経。

                                       日 蓮 花押

by johsei1129 | 2015-08-10 17:37 | 弟子・信徒その他への消息 | Trackback | Comments(0)


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