日蓮大聖人『御書』解説

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2015年 08月 05日

病によりて道心はをこり候なり、と説いた【妙心尼御前御返事(病之良薬御書)】

妙心尼御前御返事(病之良薬御書)】
■出筆時期:建治元年(1275)八月十六日 五十四歳御作。
■出筆場所:身延山中 館にて。
■出筆の経緯:本抄は、妙心尼が夫高橋入道の病気について大聖人に相談された事への返書となっております。
大聖人は、法華経薬王品の「閻浮提人病之良薬」文を引いて、妙法蓮華経の五字こそ、閻浮提人病之良薬であると諭されるとともに、「病あれば死ぬべしといふ事不定なり。又このやまひは仏の御はからひか<中略>病ある人、仏になるべきよしとかれて候。病によりて道心はをこり候なり」と記し、病だから死ぬべしとは定まっていない。病があるから仏を求める心が起こり、入道殿もこの度の長病で、日日夜夜信心に励んでいる。そのため今世で作られた小罪は、すでに消え去ったであろうと妙心尼を励まされておられます。
■ご真筆:現存していない。古写本:日興上人筆(富士大石寺 所蔵)

[妙心尼御前御返事(病之良薬御書) 本文]

あわしかき二篭、なすび一こ給い候い了んぬ。
入道殿の御所労の事、唐土に黄帝・扁鵲と申せしくすし(薬師))あり。天竺に持水・耆婆と申せしくすしあり。これらはその世のたから、末代のくすしの師なり。

仏と申せし人はこれにはにるべくもなき、いみじきくすしなり。この仏、不死の薬をとかせ給へり。今の妙法蓮華経の五字是なり。しかも、この五字をば閻浮提人病之良薬とこそ、とかれて候へ。

入道殿は閻浮提の内、日本国の人なり。しかも身に病をうけられて候、病之良薬の経文顕然なり。其の上蓮華経は第一の薬なり。

はるり王と申せし悪王、仏のしたしき女人五百余人を殺して候いしに、仏、阿難を霊山につかはして青蓮華をとりよせて身にふれさせ給いしかば、よみかへりて七日ありて、とう利天に生れにき。

蓮華と申す花はかかるいみじき徳ある花にて候へば、仏、妙法にたとへ給へり。又人の死ぬる事は、やまひにはよらず。

当時のゆきつしまのものどもは病なけれども、みな(皆)みな、むこ(蒙古)人に一時に、うちころされぬ。

病あれば死ぬべしといふ事不定なり。
又このやまひは仏の御はからひか、そのゆへは浄名経・涅槃経には、病ある人、仏になるべきよしとかれて候。病によりて道心はをこり候なり。


又一切の病の中には、五逆罪と一闡提と謗法をこそ、おもき(重)病とは、仏はいたませ給へ。今の日本国の人は一人もなく、極大重病あり、所謂大謗法の重病なり。今の禅宗・念仏宗・律宗・真言師なり、これらはあまりに病おもきゆへに、我が身にもおぼへず、人もしらぬ病なり。この病のこう(高)ずるゆへに、四海のつわものただいま来りなば、王臣万民みなしづみ(沈)なん。これをいきてみ候はん、まなこ(眼)こそあたあたしく候へ。

入道殿は今生にはいたく法華経を御信用ありとは見え候はねども、過去の宿習のゆへのもよをしによりて、このなが病にしづみ、日日夜夜に道心ひまなし。今生につくりをかせ給ひし小罪は、すでにきへ(消え)候いぬらん。

謗法の大悪は又法華経に帰しぬるゆへに、きへさせ給うべし。ただいまに霊山にまいらせ給いなば、日いでて十方をみるがごとくうれしく、とくしにぬるものかなと、うちよろこび給い候はんずらん。中有の道にいかなる事もいできたり候は

ば、日蓮がでし(弟子)なりとなのらせ給へ。

わずかの日本国なれども、さがみ殿のうちのものと申すをば、さうなくおそるる事候。

日蓮は日本第一のふたう(不当)の法師、ただし法華経を信じ候事は一閻浮提第一の聖人なり。其の名は十方の浄土にきこえぬ、定めて天地もしりぬらん。日蓮が弟子となのらせ給はば、いかなる悪鬼なりとも、よもしらぬよしは申さじとおぼすべし。さては度度の御心ざし申すばかりなし、恐恐謹言。

さるは木をたのむ、魚は水をたのむ、女人はおとこをたのむ。わかれのを(惜)しきゆへに、かみ(髪)をそり、そでをすみにそめぬ。いかでか十方の仏もあはれませ給はざるべき、法華経もすてさせ給うべきとたのませ給え、たのませ給え。

八月十六日         日 蓮 花押
妙心尼御前御返事


【妙法蓮華経 薬王菩薩本事品第二十三】
宿王華。汝当以神通之力。守護是経。
所以者何。此経則為。閻浮提人。病之良薬。
若人有病。得聞是経。病即消滅。不老不死。

[和訳]
宿王華(菩薩)よ、汝まさに神通の力を以て、此の経(法華経)を守護すべし。
所以は如何、 則ち、此の経は閻浮提(全世界)の衆生の、病の良薬為り。
若し人、病ありてこの経を聞くことを得れば、即病は消滅し、不老不死ならん。




by johsei1129 | 2015-08-05 20:05 | 弟子・信徒その他への消息 | Comments(0)


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