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日蓮大聖人『御書』解説

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2015年 05月 11日

開目抄愚記 上六

  
  第三段 外道の三徳

一 二には(がっ)()の外道

  「外道」を(しゃく)するにまた三あり。初めに能説(のうせつ)の人を()げて所尊の相を示す。次に「()の三仙」の下は、所説の法を挙げて所学の相を示す。三に「所謂(いわゆる)()き外道」の下は、仏家の意を以て而も破会(はえ)を示す云云。これ総じて略なり云云。

 「月氏」の名義、略して三意あり。

 (ぶつ)(にち)(すで)に没し、賢聖の月()でて凡を導くが故に是一。

 国の形、半月に()たり。故に北広南狭というなり是二。

 ()の土は大国にして星中の月の如し是三。

 名義三・十紙、啓蒙(けいもう)四・三十二。

 「外道」の名義は朝抄(ちょうしょう)一・十三に二義あり。一には(ほか)の道、二には道を外にす。

 三種の外道とは、一には仏法外の外道、(いわ)く六師等これなり。二には附仏法の外道、謂く仏法に附して仏法を破するなり。三には学仏法の外道、仏教を学する人の悪見を起すなり。

一 摩醯首(まけいしゅ)()

  (ここ)には大自在という。色界の(いただき)()し、欲頂の大自在と同名異体なり。「()紐天(ちゅうてん)」此には(へん)(じょう)という。これ第三禅の天なり。「迦毘(かぴ)()」此には黄頭(こうとう)という。(おもて)は金色の如きなり。「漚楼(うる)僧佉(そうぎゃ)」此には眼足という。足に三眼あり。「(ろく)娑婆(しゃば)」此には苦行というなり。

一 八百年・已前(いぜん)已後(いご)

  仏の出世八百年已前、八百年已後なり。

一 四韋陀(いだ)

  一には讚誦(さんじゅ)、二には祭祀(さいし)、三には歌詠(かえい)、四には攘災(じょうさい)なり。「韋陀」は(ここ)には「分つ」というなり。(攘災 災いを払いのけること。またそのための祈祷)

一 支流・九十五六等

  今、両説合せ()ぐるなり。下の文の「(ただ)九十五種」とは、台家(たいけ)の諸文に多く「九十五種」という故なり。(つぶさ)に文私五・十六の如し。

一 (あるい)は過去・二生・三生等

  これ利鈍ある故なり。二三乃至八万の異あるなり。

一 (いん)中有果(ちゅううか)

  これ次第の如し。三仙の見計なり。止観(しかん)十・九。

一 所謂(いわゆる)()き外道

  この下は三に破会(はえ)を示す中にまた二あり。初めに破、次に「外道の所詮(しょせん)」の下は会。初めの破の中に先ず法を破し、「善師」の下は人を破するなり。

一 (くつ)()(ちゅう)

  尺取り虫の事なり。

一 或は(とう)(かん)

  これは鴦掘(おうくつ)経第四に出でたり。或は牛馬を殺す等は文殊(もんじゅ)(もん)経上巻に出でたり。

一 外道の所詮等

 この下は次に会を明かす。また三あり。初めに初門と()すを明かし、次に大涅槃(だいねはん)(ぎょう)は法を会し、三に法華の文は人を会するなり。大涅槃経とは北本二十一・二、文七・九十五。


つづく


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by johsei1129 | 2015-05-11 23:30 | 日寛上人 御書文段 | Trackback | Comments(0)


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