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日蓮大聖人『御書』解説

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2014年 12月 14日

色相荘厳の仏を破す【文底秘沈抄第二】本門の本尊篇


問う、生仏(なお)一如なり、何に況や仏々をや、而るに(なん)(なお)一別の異なり有らんや。

答う、若し理に()て論ずれば法界に非ざること無し、今事に()いて論ずるに差別無きに非ず。()わく自受用身は是れ境智(きょうち)冥合(みょうごう)の真身なり、故に人法体一なり、譬えば月と光と和合するが故に(たい)是れ別ならざるが如し。若し色相(しきそう)荘厳の仏は是れ世情に随順する虚仏なり、故に人法体別なり、譬えば影は池水に移る故に天月と是れ一ならざるが如し、妙楽の所謂(いわゆる)本地の自行は唯円と合す、化他は不定なり(また)八教有り」とは是れなり。

問う、色相荘厳の仏身は世情に随順する証文如何(いかん)

答う、(しばら)く一両文を出ださん。

方便品に云く「我が相を以て身を(かざ)り、光明世間を照らし、無量の衆に尊ばれ為めに実相の印を説く」云云。

文の四に云く「身相(しんそう)炳著(へいじゃく)にして(こう)(じき)端厳(たんごん)なれば衆の尊ぶ所と()り則ち信受すべし」云云。

弘六の本に云く「謂わく、仏の身相具せざれば一心に道を受くること(あた)わず、器の不浄なるに()き味食を盛れども人の喜ばざる所の如し、是の故に相好(そうごう)を以て自ら其の身を(かざ)る」云云。

安然(あんねん)(きょう)()()に云く「世間皆知る、仏の三十二相を具することを、此の世情に随って三十二相を以て仏と為す」云云。

止観七-七十六に云く「縁不同と為す、多少は彼に在り」云云。

劣応(れっとう)三十二相、勝応(しょうおう)八万四千、()受用(じゅゆう)無尽の相好は(ただ)道を信受せしめんが為に(かり)に世情に順ずる仏身なり。

金剛般若経に云く「若し三十二相を以て如来と見れば(てん)(りん)(じょう)(おう)も即ち是れ如来ならん」云云。又()に云く「若し(しき)を以て我と見れば、是れ則ち邪道を行ず」等云云。

台家(たいけ)の相伝、明匠(みょうしょう)口決(くけつ)五-二十六に云く「他宗権門の意は()(こん)の妙体に瓔珞(ようらく)細輭(さいなん)の上服を著し、威儀具足する仏を以て仏果と()す、一家(いっけ)の円実の意は此くの如き仏果は(しばら)く機の前に面形(めんぎょう)を著けたる化仏なる故に有為(うい)の報仏、未だ無常を免れずと下し、此の上に本地無作三身を以て真実の仏果と為す、其の無作三身とは(また)何物ぞ、(ただ)十界三千万法常住の所を(たい)と為す、山家(さんけ)(秘密荘厳論)云く、一念三千即自受用身」以上略抄。



        応仏昇進・迹仏化他の本果を破す につづく

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by johsei1129 | 2014-12-14 00:03 | 日寛上人 六巻抄 | Trackback | Comments(0)


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